
近年、ゴルフ人口は減少の一途をたどっています。そのため、ゴルフ場を経営するには効率的に利益を生み出さなければなりません。そこで本記事では、ゴルフ場経営で費用削減・コストカットを実現する方法について紹介します。この記事を読んで、利益率の高いゴルフ場経営を実現しましょう。
ゴルフ場の経営には適切なコストカットが必須
ゴルフ場経営は、広大な敷地を管理するため、その分利益を多く生み出さなくてはいけません。以下に、ゴルフ場の経営に適切なコストカットについて紹介します。
まずはコース管理状況を把握する
適切なコストカットをするために、まずコース管理状況を把握する必要があります。コースの状態診断を把握し、人件費や資材費など詳細な分析をおこないます。こうした資料を十分に把握したうえで、コース管理における無駄な部分の削減をおこないながら立案していくと良いでしょう。
また、コース管理をコストダウンするうえで、一律削減しないことをおすすめします。これは、削れる部分と削れない部分をしっかり把握し、そこをうまく見つけ出していくことが重要だからです。
どの部分を削減するかが一番難しい問題であり、すべての経費を同額減らしても経費削減にはつながりません。もし何も検討しないまま費用額だけを抑えてしまうと、管理品質が低下してしまい、最終的には経費の無駄に陥るかもしれません。
また、ゴルフ経営をおこなう上で、芝生の管理は何よりも重要になります。経費削減をおこないつつ、グリーンの品質管理も同時におこなうのが望ましいです。
これらの管理を同時におこなうためには、管理者の優れたセンスと高い技術が必要です。一方で、もしうまく管理できれば経営手腕が高く評価できる事案でもあります。
資材の有効活用
適切なコストカットをするためには、資材の有効活用が必要になります。使用する主な資材として、肥料・農薬・砂の3つが挙げられます。これらの資材をいかに有効活用するかで、大幅なコストダウンへつながるでしょう。
実際に、一昨年には少しの散布量で残効機関が長く、殺菌スペクトラムが広いという殺菌剤が認可され話題となりました。こうした薬剤を利用することで、散布回数や所要時間を大幅に減らせます。
また、砂も品質の良さで、肥料や農薬の効き目が変わってきます。散布の技術が、10年後のゴルフ場の変化に大きく関わってくるのです。高い技術力を持つスタッフがいれば、資材の有効活用ができるため、コスト削減につながるでしょう。
一般的なコストカットは利益を生み出す
ゴルフ場経営は、一般的な経営に比べると大幅にコストが掛かると言えます。このため、できるだけ稼働率を大きくして、利益を確保することが必要です。現在、日本ではゴルフをおこなう方が減少傾向にあり、こうした中で利益を生み出すことは非常に難しいと言えます。
そこで、ゴルフ経営をおこなうには、効果的な方法で経費削減をおこなう必要があります。IT化や無人化が必要になってきますが、広大な土地を持つゴルフ場では毎月の固定費が非常に大きくなりやすいです。
このことからも、少しの工夫で数千万円の固定費削減も可能でしょう。他にも、一般的なコストカットをおこなうことで、顧客へ還元できます。顧客へ還元すれば稼働率も上がり、一石二鳥になりやすいです。
固定費を大幅に削減するには?
ゴルフ場経営には、大きな固定資産を持つこととなるため、大幅な固定費削減が必要です。以下に、固定費を大幅に削減するにはどのようにすれば良いか紹介します。
自動化により人件費を大幅に削減できる
近年、人の手でおこなってきた仕事を自動化することで、人件費の削減につなげている企業が増えています。ゴルフ経営もそのひとつであり、まずは人件費の自動化により大幅にコスト削減することが必須です。
例えば、ゴルフ場の予約に関しては、WEBを使用しコースの空き時間を顧客が把握しながら手軽に予約する方法です。また、チケットの発行やゲーツ通過に関しても自動化が可能であり、わざわざ人を配置する必要がありません。
仮に年間400万円のスタッフがいる場合、福利厚生などを含めると2倍程度のコストが掛かります。これに社会保険料などを加えると、1年間で1,000万円人件費が掛かります。
現代、急発達しているWEBによる自動化により、うまく活用することでコストカットへつながるのです。この部分を削減するだけでも、大幅なコストカットになるでしょう。
クラブハウスの廃止は大幅なコストカットへつながる
ゴルフ場経営においては、同時にクラブハウスを経営している場所も存在します。ただ、クラブハウスは年間のコストが何千万と言われており、高額な経費が必要となるでしょう。人件費・浴室ボイラー・店内の照明や空調などの経費が発生します。
超高級路線のゴルフ場であれば、こうしたクラブハウスが必要になる場合もあります。しかし、一般的なゴルフ場にこうした施設は不要です。実際に、クラブハウスを廃止して値下げをした結果、予約がいっぱいになったゴルフ場も多数存在します。
現在、日本ではインバウンドの影響から観光名所付近には多くの飲食店が点在しています。そのため、ゴルフをするだけを目的とする顧客にとって、クラブハウスの利用は不要でしょう。
もし、クラブハウスがすでにあるゴルフ場であれば、土日だけ営業するなど少しの間はテスト期間を設けてみるのもおすすめです。すでにクラブハウスが不要だと感じている経営者であれば、思い切って廃止しても問題ないでしょう。
芝生のコース管理は委託する
ゴルフ場にとって、芝生の管理は非常に大切になるでしょう。芝生の管理は、優れたグリーンキーパーを雇うことで、常にきれいな芝生を保てます。実際に、アメリカのゴルフコースより、日本のゴルフコースは管理状態が良いとされています。
これは、日本のグリーンキーパーの方が優れているからです。ただ、自前で芝生の管理をするとなると、人件費にプラスして専用機器のメンテナンスなどで高額な支出が発生します。そこで、芝生の管理を外部へ発注することで、大きなコストダウンへつながります。
芝生の管理を外部発注すれば、人件費や社会保険料のコストが掛からないでしょう。ゴルフ場にとって、必要な経費のみ集中するということが、コストダウンへつながります。
これにより、何千万円のコスト削減が可能になるでしょう。また、委託業者を頼む場合は、現状より安い費用でできるか・高い技術力でできるか・作業員の処遇を充分に配慮できるかが大きなカギとなります。
一般的なコスト削減も忘れずに行おう
大幅なコストダウンも必要ですが、一般的なコストダウンも大切になります。以下に、どのように一般的なコストを削減すればよいか紹介します。
一般的な電気代などのコストカットは必須
ゴルフ場経営をおこなう上で、電気料金などを一般的なコスト削減は必須になります。これは、ゴルフ経営に限らず多くの企業が実践していることであり、固定費の削減は当然のことと言えるでしょう。
中でも、電気料金の削減は一番コストカットできる部分とも言えます。対応している地域の電機会社に対し、50~100社程度の競争入社を受けることにより、電気料金の底値を出すという手法です。
これにより、平均で15%程度の電気料金削減が可能であり、送電や発電部分に関して削減はできないものの小売りの部分を大幅に削減できるでしょう。同じ送電線を使用していることにより、発電所が同じであるため電気代だけが下がるためデメリットがありません。
損害保険もコストカットになる
ゴルフ経営をおこなううえで、損害保険に加入するのは義務に近いと言えるでしょう。損害保険は、保険会社の見直しにより大幅なコストカットになる可能性が高い部分と言えます。
補償内容は同じでも、保険会社によっては保険料が安くなる場合もあります。ゴルフ練習場やゴルフコースがある場合、必ず火災保険や賠償責任保険に加入しているでしょう。
保険会社によっては、火災保険で10~30%のコストカットが可能であり、賠償責任保険であれば30~60%のコストカットができると言われています。損害賠償保険は、ゴルフ場で顧客万が一けがをした場合でも保障がおりる保険です。
この保険に加入しておくことで、万が一に備えられ、ゴルフ場の経営を継続できます。また、車を法人所有している場合は、法人自動車保険の契約・乗り換えの検討もおすすめします。
これは、自動車保険が高額であるためです。このように、何かとコストが掛かるゴルフ経営においては、無駄な固定費をカットすると良いでしょう。
人件費の削減でコストカットにつながる
人件費の削減は、企業の利益に直結する大切な事項でもあります。ただ、人員を大幅に減らしても、減らした部分をどこでカバーするかが大切です。そこで、大幅に減らした人員を、パートや人材派遣に変えるという手段もあります。
また、人件費がかさむグリーンの刈込や冬季のグリーンカバー掛けは、人の手でおこなうと大幅な人件費へつながりかねません。これらの手法を人の手でおこなうのではなく、違う方法でおこなうことで大幅なコストカットが実現できます。
例えば、機械導入できるコースであれば、寿命が長い機械の導入を検討するのも良いでしょう。10年単位でコース管理を考える場合には、機械の寿命をできるだけ長く伸ばすかが大きなカギとなります。
うまく寿命を延ばせられ、大幅なコスト削減ができると言えます。このことから、できるだけメンテンナンスが掛からず機械寿命が長い機会を選ぶことが大切です。
まとめ
ゴルフ人口が減少する中、ゴルフ場経営の成功には効果的なコスト削減が不可欠です。本記事では、コース管理の最適化や資材の有効活用、自動化による人件費削減など、具体的なコストカット方法を紹介しました。例えば、芝生管理の外部委託やクラブハウスの廃止により、大幅な固定費削減が可能です。また、電気料金や保険の見直しなど、一般的な経費削減も重要なポイントとなります。これらの戦略を適切に実施することで、コストを抑えつつも質の高いゴルフ場運営を維持し、利益率向上を実現できます。経営者は、無駄を省きつつもサービス品質を確保するバランスを意識し、長期的な視点で収益向上を目指すことが大切です。本記事が、ゴルフ場経営に関して詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。