
ゴルフ場運営は儲かるのかについてお伝えします。将来的にゴルフ場を開業してオーナーになりたい、という夢を持っているゴルフ愛好家も多いのではないでしょうか。しかし、ゴルフ場運営は、実際儲かるビジネスなのか気になります。ゴルフ場の経営や収支の目安、オーナーに最適な人物について、くわしく紹介します。
ゴルフ場の経営は儲かるのか
ゴルフ場経営には、広大な土地や多額の初期投資、設備維持費がかかります。ゴルフ場が完成してからも数年間は一定の支出が必要なため、収益性の高いビジネスとはいえません。ゴルフ場オーナーの年収やゴルフ場経営の収支などについて、紹介します。
ゴルフ場のオーナーの年収
広大なゴルフ場を所有するオーナーのほとんどが法人です。大企業の社長クラスがゴルフ場オーナーの場合、年収は数千万円~数億円です。中小規模のゴルフ場を経営するオーナーの年収は、数百万円~数千万円程度になるでしょう。
運営するゴルフ場の規模や地域、来場者数、運営コスト、経営者のスキルなどにより、年収には大きな差があります。ゴルフ場経営で儲けているケースもありますが、必ず儲かるとは限りません。何年も赤字が続き、経営難に陥っているゴルフ場もあるなどさまざまです。
ゴルフ場経営における収入の目安
ゴルフ場のデータ平均は、年間来場者数4万人で年間売上が6億円のため、ひとりあたり1万5,000円の売り上げになります。関東圏のゴルフ場はプレーできないケースもありますが、地方では1万円以下のこともあるため、妥当な数値といえるでしょう。
ゴルフ場では、来場者のゴルフ場使用料が収入のメインです。ゴルフ場の使用料の内訳は、入場料・コース使用料・ボールなどの備品レンタル料・会員費などです。使用料以外の収入は、併設売店やレストランでの売り上げ、年会費、教室の会費などが挙げられます。
ゴルフ場経営における支出の目安
規模によって異なりますが、ゴルフ場の建設には、コース開発費やクラブハウス建設費など、初期投資に約数十億円かかるのが一般的です。建設費用は、1ホール2億円、18ホール40億円が目安だといわれています。
また、ランニングコストとして、人件費や土地代、設備管理費などがかかります。ゴルフ場が完成してからも数年間は一定の支出が必要なケースがほとんどのため、年間6億円の売り上げがあったとしてもすぐ黒字経営にするのは難しいでしょう。
広大な土地を所有していれば土地代はかかりませんが、日本のゴルフ場のほとんどは、土地を借りて運営されています。会員制ゴルフ場の場合は、会員権の預託金返還費用も必要です。預託金は、入会時に会員から預かる費用を指し、10~20年程度の期間を経て返還される仕組みです。
ゴルファー1人あたりの利益
ゴルフ場のプレー料金によって異なりますが、1万5,000円と想定します。プレー料金の内訳は、グリーンフィー・ゴルフ利用税・諸経費・キャディフィ・カートフィなどです。
この項目のうち、コース利用料のグリーンフィとハウス設備使用料などの諸経費が、ゴルフ場の利益にあたります。グリーンフィと諸経費の合計は、8,000円が一般的な目安なため、必要経費を差し引いた3,000~5,000円がゴルファーひとりあたりの利益になるでしょう。
ゴルフ場支配人の年収の目安
ゴルフ場の運営を任されている支配人の年収の目安は、約400~800万円が平均的な金額です。ゴルフ場のスタッフの平均年収が360万円のため、若干高い年収になります。
支配人は、ゴルフ場運営のすべての業務を担当するため、ゴルフに関する知識や経験が必要です。来場客の対応やスタッフのマネジメントなど、業務は多岐にわたるでしょう。
ゴルフ場のオーナーに最適な人物とは
ゴルフ場のオーナーは、広大な土地の所有や多額な資金を負担する必要があります。そのため、ほとんどの人はゴルフ場のオーナーになれません。ゴルフ場のオーナーに最適な人物について、解説します。
広大な土地を所有している人
ゴルフ場を建設するには、広大な土地が必要です。土地を所有していない場合は、土地の所有者から借りるため、固定資産税や借地料を支払う義務が生じます。
莫大な費用を負担できる人
ゴルフ場の建設には、コース開発やクラブハウス建設などに数億円~数十億円の莫大な費用がかかります。初期投資額が莫大で回収に時間がかかるため、経営難に陥るゴルフ場も少なくありません。
経営スキル・ノウハウがある人
ゴルフ場のオーナーには、経営を安定させるための優れた経営スキルとノウハウが必須です。日本ではゴルフ人口の減少にともない、2004年をピークにゴルフコースが減少しているため、黒字経営を継続することが非常に困難な業種といえます。
新規顧客を獲得するためには、需要のある場所や料金相場など、市場調査の分析も必要です。十分に時間をかけて市場調査し、ターゲット層やコンセプトを明確にすることが重要なポイントでしょう。
ほとんどの人はゴルフ場のオーナーになれない
ゴルフ場のオーナーには、広大な土地を所有していたり、数十億円の莫大な資金を負担できる資金力のほか、経営スキルやノウハウも必要です。そのため、経営のハードルが非常に高く、望んだとしてもほとんどの人はゴルフ場のオーナーになれません。
ゴルフ場の経営の課題と今後について
ゴルフ場経営の現状の課題には、ゴルフ人口の減少や2025年問題などが挙げられます。しかし現在、地方のゴルフ場の利用者が減少している一方で、都市部のインドアゴルフ練習場などの需要は高まっています。
気軽にゴルフを楽しめるとして、若年層や女性などを中心に人気なようです。高齢化などでプレイヤーが減ったともいわれますが、ゴルフというスポーツ自体の人気が落ちたわけではないとも捉えられます。
ゴルフ場経営の現状の課題
公益財団法人日本生産性本部が発行するレジャー白書2024年によると、2023年のゴルフ人口は530万人、ゴルフ場の市場規模は9,390億円です。若者のゴルフ離れが進んでおり、1994年の1,450万人をピークに減少傾向のため、ゴルフ場経営も厳しい状況が続いています。
市場調査によるとゴルフ人口の減少は、ゴルフ用品などの関連事業にも影響を及ぼしています。ゴルフは年齢を問わず楽しめるスポーツですが、利用者の減少にともない経営不振に陥っているゴルフ場も少なくありません。
また、2025年問題に直面していることも課題です。2025年問題とは、約800万人の団塊世代が75歳以上になることで、国民の5人に1人が後期高齢者という問題です。
長期高齢化社会を迎えることは、すべての企業に大きな影響を与えるといわれており、ゴルフ業界を支えてきた世代がプレーできなくなる可能性が高まっていることが問題視されています。
莫大な初期投資やランニングコストもかかることから、ゴルフ場経営は収益性の高いビジネスではありません。若者のゴルフ離れや2025年問題など、ゴルフ人口の高齢化が進んでいるため、若年層へのアプローチが課題でしょう。
ゴルフ場経営の今後
ゴルフ人口の高齢化が進んでいるため、若年層へのアピールが重要です。しかしゴルフには、時間とコストがかかるため、若者がチャレンジしにくい傾向があります。さらに、ゴルフ場へのアクセスが難しいことも、若者のゴルフ離れが進む要因のひとつです。
ゴルフ人口を増やすためには、若年層へのアプローチが必須でしょう。近年では、ショートコースの普及やインドアゴルフ練習場、オンラインレッスンなど、手軽にゴルフを楽しめる新しいゴルフビジネスが登場しています。
インドアゴルフでは、天候に左右されずに練習できたり、アクセスがよく通いやすかったり、最新シミュレーター技術によりゲーム感覚で楽しめるのが特徴です。働き方やライフスタイルの変化に合わせて、気軽にゴルフを楽しみたいというニーズに応えるサービスが展開されています。
こうしたサービスは、とくに若者や女性などの幅広い世代に支持されているため、ライト層を中心に集客を行うことで売上向上のチャンスは十分にあります。高齢化で厳しい状況が続いているとはいえ、今後も工夫次第でゴルフ市場は盛り上がりをみせる可能性があるでしょう。
最新システムの導入でスムーズな経営が期待できる
ゴルフ人口の減少により、ひと昔前と比べるとゴルフ市場は低迷しています。しかし、スマホを利用した予約システムやスコア管理、最新シミュレーター技術の導入など、工夫次第で集客可能です。
近年は、ゴルフ場の管理システムも進化し、レストランの運営や集客といった幅広い業務に貢献できるようになりました。こうしたシステムの機能が充実したことで、運営の負担が減り、ほかの業務に労力をまわすことも可能です。
また、より便利でプレーしやすい環境であれば、自然にお客さんに評価され、リピーターも狙えるようになるでしょう。
フランチャイズ経営でゴルフ場のオーナーになる方法もある
ゴルフ場の経営には広大な土地や莫大な資金が必要ですが、インドアゴルフスクールやインドアゴルフ練習場であれば、限られたスペースでの開業が可能です。一般的なゴルフ場と比較すると、開業資金を数千万円程度に抑えられるため、オーナーになりやすいでしょう。
また、インドアゴルフ施設のオーナーになるには、フランチャイズ本部が運営するゴルフビジネスの加盟店になる方法もあります。フランチャイズ本部の運営マニュアルやブランドイメージ、知名度、蓄積されたノウハウを活用できるため、経営未経験でもビジネスを始めやすいメリットがあります。
ほかにも、短期間で成果が出せるようビジネスに必要な内容がパッケージ化されており、フランチャイズのサポートを受けながら運営できるなどのメリットがあるため、開業のハードルは低めでしょう。
まとめ
この記事では、ゴルフ場運営は儲かるのかについてお伝えしました。ゴルフ場のオーナーのほとんどは法人です。ゴルフ場の経営には、広大な土地や数十億円単位の資金が必要なため、ほとんどの人はゴルフ場のオーナーになれません。ゴルフ場の経営には、ゴルフ人口の減少や2025年問題などの課題があり、女性や若年層へのアプローチが必須です。こうしたさまざまな課題があるため、ゴルフ場の経営はかなりハードルが高いといえます。しかし、工夫次第で十分に黒字経営を狙うことも可能です。ゴルフ場をスムーズに効率的に運営し、お客さんにも喜ばれるようにするには、やはり最適なシステム選びが欠かせません。これからゴルフ場経営を考えている方は、ぜひゴルフ場管理システム選びから始めてみてください。