
持っている土地を有効活用したい、ゴルフが好きなどといった理由でゴルフ場開業を考える方もいるでしょう。しかし、ゴルフ場を開業してもしっかり経営経営計画を立てないと、赤字が続いてしまう、倒産してしまうなどよくない結果になってしまうかもしれません。今回はゴルフ場経営のポイントについて解説します。
経営がうまくいく・いかないを分ける6つのポイント
ゴルフ場経営において押さえておくべき6つのポイントについてご紹介します。ゴルフ場開業を考えている方は参考にしてみてください。
ターゲットを明確にできているか
経営がうまくいっているゴルフ場はターゲットが絞られており、コンセプトが練られていることがほとんどです。たくさんの集客を狙いたいからといってターゲットを設けず、コンセプトがぐちゃぐちゃだと、お客さんが入りづらいという状況になってしまうことがあります。
女性が通いやすいゴルフ場をコンセプトにしたいのであれば、女性が入りやすい空間づくりをする、サラリーマンがターゲットであれば仕事帰りに通いやすい営業時間にするなどの工夫をすることが大切です。
魅力的なサービス提供ができており、他店舗と差別化できているか
世の中にゴルフ場はたくさんあるため、他店舗と差別化を図ることで集客率アップを目指すとよいでしょう。たとえば、女性や家族連れをターゲットにしている場合、キッズスペースを用意する、レストランを併設するなどして家族でゴルフ場に来てもらえるような環境を目指すのはいかがでしょうか。
サラリーマンをターゲットにするのであれば、道具は貸し出しにして、荷物を安心して預けられるロッカーを完備するなどで手ぶらでも行きやすい環境を整えるなどしてみてもよいでしょう。ターゲット層を逃がさないような、魅力的で多店舗にはないサービスを提供できれば集客を狙えるでしょう。
経営ノウハウがあるか
成功しているゴルフ場はターゲット層やコンセプトを明確にして集客を狙っているのはもちろん、しっかりと経営ノウハウを持っていることが多いでしょう。維持費、人件費、固定費などゴルフ場経営にはさまざまな費用がかかります。
売上やかかる費用を意識しながら経営をしなければならないため、経営ノウハウを学んでからゴルフ場開業するのが望ましいでしょう。自分の知識やノウハウだけでゴルフ場経営をするのが難しい場合は、フランチャイズ経営にするという方法もあります。
フランチャイズは加盟する本部のノウハウを活かしてゴルフ場経営ができるため、はじめてゴルフ場経営する場合でも経営をスタートしやすいでしょう。
立地や物件選びをしっかりできているか
人気のあるゴルフ場は立地がよい場合が多いでしょう。駅が近い場所にあるゴルフ場は多くの方が通いやすいですが、騒音がする、入りにくい場所にあるなどの問題を抱えていることがあります。
立地や物件のちょっとした条件で集客に差がつくので、場所選びには時間をかけるのがおすすめです。駅から近く利便性が高いことはもちろん、女性が安心して通える環境にある、騒音を気にせず通える、駅からスムーズに来れるなど理想的な場所を探してみましょう。
市場リサーチができているか
儲かるゴルフ場になるかどうかは市場リサーチ、マーケティング調査がしっかりできているかどうか、それに沿ったゴルフ場づくりができているかによって左右されます。
ターゲット層、コンセプト層をしっかり練り込み、利益を生みだすポイントを理解しゴルフ場づくりに反映することで儲かる経営が可能になるでしょう。
初期投資ができるか
初期投資ができていると、しっかり準備できるため、初めからお客さんの満足度が高く、リピーターが獲得できる確率が上がるでしょう。初期投資をおろそかにしてしまうと、せっかくゴルフ場をオープンしても設備が不十分になります。
十分な設備がなければ、サービスの品質が下がり、お客さんはリピーターになりにくいでしょう。ある程度初期投資に力を入れることで、オープンしたてのゴルフ場でも顧客満足度を得られるというメリットがあります。
経営で失敗しないためにできること
ゴルフ場経営を失敗しないために心がけておきたいポイントについて解説します。重要なポイントをまずしっかり押さえるとよいでしょう。
事前に調査をしっかりしておく
市場リサーチやマーケティングを徹底して行うことで、オープン後のミスマッチを防ぎましょう。ターゲット層、コンセプトと実際のゴルフ場づくりにズレがあると集客につながりません。
客層に合わせた雰囲気づくり、対応などを行うことにより集客率アップが狙えるため、市場リサーチやマーケティングはしっかり行うのがよいでしょう。
飽きさせないサービスの提供
ゴルフ場経営を行ううえで、お客さんを飽きさせず、リピーターにするためのサービスの提供が必要でしょう。来店回数に応じてグッズをプレゼントする、定期的にイベントを開催するなどで、マンネリ化を防ぎましょう。同じことを繰り返しても飽きてしまうため、新しいサービスやイベント提供が必要です。
ニーズに合わせた経営
客層や要望に合わせた対応をすることでお客さんを逃さないようにしましょう。女性が多い、家族連れが多いといった場合はひと休みできるようなリラックスルーム、キッズルームなどを併設することで来店しやすくなるでしょう。
カフェを併設すれば、練習の前後に休憩がしやすく、友達や家族を連れ立って来店してくれる、ゴルフ仲間ができて来店回数が増えるといったメリットが期待できます。
ランニングコストを把握する
人件費、消耗品、光熱費などゴルフ場経営にはさまざまな費用がかかります。変動するランニングコストを確認することで、どの部分に費用がかかっているか、変動が大きいかなどを把握できます。
無駄なコストを最小限に抑えることで安定したゴルフ場経営を目指しましょう。ゴルフ場は年会費や入場料金がメインの収入源となりますが、ほかにも収入源を確保するのがおすすめです。
レストランやカフェ、ショップを併設して収入を得る、大会を開催して参加費を募って収入源を増やすなど工夫を凝らしてみてはいかがでしょうか。しかし、施設を増やせばその分初期費用、人件費、設備などが増えるため、どこにコストや費用をかけるかバランスを考える必要があります。
ゴルフ場経営の前に知りたい注意点
ゴルフ場は開業後に工夫を凝らして集客アップを目指せますが、事前に知っておくことで対処できるものもあります。事前に知っておくとよい注意点について解説します。
スペースを広く取る
たくさんの人が入れるようにしたい、回転率を高めたいなどといった理由で練習スペースを狭め、収容人数が多く入れるようにしようと考える場合があります。しかしゴルフは集中力がいるスポーツであるため、練習スペースが狭いと練習しにくいと感じる方が多いでしょう。
他人との距離感が近く集中できないと多くの利用客が感じてしまうと、リピート率は下がるでしょう。利用者が周りの視線が気にならないよう練習するスペースを広く取れるゴルフ場づくりを行うのがおすすめです。
オープンしてすぐにスペース変更するのは難しいため、オープン前に練習場のスペースを広く取ったレイアウトにするのがよいでしょう。
騒音が少ない場所選び
ゴルフは集中力がいるため、練習スペースを広々と確保するのはもちろん、騒音が少ない場所にゴルフ場をつくるのがよいでしょう。
駅から近いというのは利用客にとって通いやすいため大きな魅力ですが、アクセスのよさを重視するあまり、電車の音がうるさい、周りの建物からの音がうるさいなどといった場合集中しにくいでしょう。
利用者がしっかり集中できるゴルフ場づくりをするためには、アクセスがよく、かつ騒音が少ない場所選びが必要といえます。騒音についてはオープン後に対処するのはなかなか難しいため、オープン前にしっかりとしたリサーチが必要です。
集客を見込める場所選び
駅から近いというのはゴルフ場の利用客にとって大きな魅力ですが、ほかのゴルフ場もアクセスのよさを売りにしている場合が多いため、アクセスのよさだけでは近隣のゴルフ場に勝てないかもしれません。
そのためゴルフ場を開業したい場所周辺の環境を事前調査することが大切です。つくりたいゴルフ場のターゲット層やコンセプトと周囲の施設のターゲット層が重複していればゴルフ場に興味を持ってくれる場合が多いでしょう。
現地調査を行い、集客が見込める場所かどうかオープン場所を決める前に見極めが必要です。
開業資金を準備する
ゴルフ場開業を行う場合、開業資金の準備が必要です。所有している物件を使うのか、物件を借りるのか、規模はさまざまありますが、3,000〜5,000万円程度の開業資金を設定しておくとよいでしょう。
好条件での融資を受けられるよう書類の準備も必要です。個人での開業が不安な場合はフランチャイズ経営にするという手段もあります。ゴルフ場のノウハウを持った本部を加盟先に選ぶことで、大赤字が続くというリスクが少なくゴルフ場経営をはじめられるというメリットがあるでしょう。
ゴルフ場は道具や設備が充実していると多くの利用者が足を運びやすくなるため、フランチャイズ経営で利用者の満足度の高い設備や道具を利用できるようなフランチャイズ本部を選んでみてはいかがでしょうか。
また、経営ノウハウがない場合は、本部からのサポートが手厚いところを加盟先に選ぶのがおすすめです。経営ノウハウがなくても本部のノウハウを学べるため、ゴルフ場経営の経験がない、浅いけれど経営しながら学びたい、実績を積みたいといった場合に利用するのがよいでしょう。
セミナーに参加する
ゴルフ場経営についてのセミナーに参加することで、ゴルフ場経営のノウハウを学ぶのもよいでしょう。黒字経営のコツを実際に聞くことで自分の経営に活かしてみてはいかがでしょうか。近年はオンラインでのセミナーもあるため、興味のあるセミナーを探してみてましょう。
まとめ
ゴルフ場を経営したいととりあえず開業してしまうと、赤字経営が続いてしまうかもしれません。開業前に儲かるゴルフ場、儲からないゴルフ場の特徴を把握し重要なポイントを押さえて開業準備を進めましょう。ターゲット層やコンセプトが定まっていないと利用者が集まりにくいため、明確にしてからゴルフ場づくりを考えるのがよいでしょう。